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会長あいさつ

子ども達の健康と幸せのために

会 長 横山 純好

新学期がはじまり諸所に子どもたちの声が賑わっています。申すまでもなく子どもは国の宝であります。しかし、本来明るく楽しくすくすくと育つべきその子ども達が今さまざまな逆境にあります。生活環境の劣化に加えて医療・福祉の退行、傷害、虐待等々、枚挙に暇がありません。これらは社会構造の変化と資源の減少に起因し、また方向を間違えた機械文明に伴う環境と人心の荒みから、ということだけでは済まされない多くの問題をかかえていると思われます。
  我々は子どもたちの健康のために日々頑張っておりますが、これまでに政治、経済、環境さらには法律問題をも含めた社会情勢を視野に入れて医療を行って来たかというと必ずしもそうではありません。むしろこれらは小児科医が苦手な分野であったかもしれません。しかし最早、診察室あるいはベッドサイドで目の前にいる患児の、狭義の病気だけを見ていれば良い時代ではなく、子どもたちを取り巻く家庭、社会環境をも見据えて総合的に対処していかなければならないもので、本来医師にはその責務があり、今ほどそれが求められている時代はないかとも思われます。
  一方医療を行う私達の側でもいろいろ難問が山積いたしております。医師不足と報酬体系の不備などにより崩壊寸前のあるいはすでに崩壊している病院現場とか救急外来、予防接種、乳幼児健診等の健康診査、子どもの心の相談、乳幼児医療費助成等々、これまた枚挙に暇がありません。これらの問題を少しでも解決するべく日本小児科医会では日本小児科学会、日本小児保健協会とともに小児保健法の制定を訴えてきております。そして日本医師会において昨年8月にプロジェクト委員会が立ち上げられ本年1月には会長宛に答申がなされました。これを受けて国会でも議員立法で成立すべく、少しずつ動きが出て来てはおりますが、なおその財政基盤ができておらず、今後諸々のハードルを越えなければなりません。子ども達の健康と幸せのために一日でも早い制定が望まれます。皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。
  本年4月から本会役員の陣容が変わりました。何が子どもの幸せにつながるか、そしてどうしたら最善の医療を子ども達のために施すことが出来るのか、我々はこれまで以上に研鑽する所存であります。これまで通り委員会活動をベースに諸問題に対応するのはもちろんでありますが、積極的に保育園、幼稚園、学校をはじめとする地域社会での子どもを取り巻く環境・機構との関わりを持ち、また他の専門分野との連携および意見交換、行政への諸々の要望と協議等々行っていきたいと思います。また全国的にも高く評価されている本会における病院勤務医師と診療所医師の連携プレーをより充実させて行きたいと思います。今や瞬時に双方向情報交換のできる時代です。会員の先生方のみならず市民の皆様方からもどしどし本会に対してのご教示、ご意見等をいただきたいと思います。そして皆様方と共に小児医療をより一層発展させたいと思います。ひいてはそれが子ども達の幸せに繋がると思われます。よろしくお願い申し上げます。
  再度申し上げます。皆様とともに全ての子ども達が何の心配もなく、明るく楽しく、すくすくと育つことができる社会を創ろうではありませんか。

平成20年4月