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ヒブワクチンについて

ヒブワクチンとは、どんなワクチンですか?

小児の救急医療の現場で、病気が重症化して死亡したり、後遺症が残ったりする重症感染症に、細菌性髄膜炎と急性喉頭蓋炎があります。これらの病気の原因の一つとしてヘモフィルスインフルエンザb型という細菌があり、これを略して、Hib(ヒブ)と呼ばれています。最初にインフルエンザ感染者から発見されたために、この「インフルエンザ菌」という名前がつきましたが、皆さんご存知の「インフルエンザウイルス」とは別物です。乳幼児にとって最も恐れられている細菌性髄膜炎の3人のうち2人はこのヒブが原因で起こってきます。かかった乳幼児の5%が死亡し、20%が後遺症に苦しめられます。世界保健機構(WHO)による全世界での2000年の推計によりますと、ワクチンで防げるはずの病気で乳幼児が亡くなる原因として、麻疹(はしか)の約78万人についで多いのが、ヒブの約46万人です。日本でも、ヒブによる重症感染症の半数以上は髄膜炎で年間600例、すべてのヒブによる重症感染症を合わせると年間1000例と推計されます。ヒブ髄膜炎だけで、亡くなる子どもたちが年間20〜30名、後遺症を残す子どもたちは年間100名を超えると見積もられています。ヒブによる感染症は、細菌性髄膜炎、急性喉頭蓋炎以外にも敗血症、蜂巣炎、関節炎、肺炎、骨髄炎と様々です。

  1998年にWHOは各国に乳児への定期接種を推奨する声明を出しました。現在では120ケ国で実施され、90ケ国以上で定期接種に組み込まれています。ヒブワクチンを定期接種している国では、ヒブによる髄膜炎は過去の病気となりました。欧米諸国と遅れをとること20年、わが国でもようやくヒブワクチンが昨年12月19日から自費ではありますが接種できるようになりました。欧米諸国では重症感染症として同様に重要な、肺炎球菌ワクチンも同時接種されており、日本でも早急に実用化が望まれるところです。

ヒブワクチンの接種スケジュール  ※すべて接種方法は皮下注射
1.基本接種(7ケ月未満児)


3種混合(DPT)と同時(左右上腕に)で4週間隔が原則。
2ケ月から接種可能。 3種混合同様に3〜8週間隔でも可能。

2.7ケ月から12ケ月未満児


3.1歳以上5歳未満



他のすべてのワクチンと同時接種可能ですが、間隔をあけて接種する場合は、 生ワクチンからは27日、不活化ワクチンからは6日以上あけます。ヒブワクチ ン接種後は、6日以上あけて接種します。

ヒブワクチンは、なぜ乳児早期に接種する必要があるのですか?
ヒブは鼻の奥に潜んでいて、それが血液の流れを介して髄膜炎を引き起こします。3歳を過ぎるとヒブの不顕性感染(無症状の軽症感染)の結果、自然抗体を獲得します。ヒブによる細菌性髄膜炎の発症率は、生後3ケ月を過ぎると急速に増加し、6ヶ月がピークで、3歳を過ぎると減少します。こうした理由で乳児期早期にヒブワクチンを接種することが必要なのです。ハイリスク児(早産児・鎌状赤血球症・白血病・HIV感染症等の免疫不全)では、さらにその必要性は高いです。

ヒブワクチンの副反応は?
 現行の三種混合ワクチン(DPT)の副反応発現率と同等かそれ以下とされています(注射部発赤・腫脹・硬結・疼痛、発熱等)。すべての先進国で、10年以上前から定期接種とされており、日本で使用されているヒブワクチン製剤だけで全世界の子ども達1億5千万人以上に接種された実績があります。   製造の初期段階で牛の成分が使用され、その後の精製工程を経て製品化されていますが、そのことによる不都合は、これまで1件も報告されていません。

ヒブワクチンには予約が必要ですか?接種料金は?
 ヒブワクチン供給状態は、安定しているとはいえない状態で、入手に時間を要することも十分予想されますので、予約が必要です。他の予防接種との調整もありますので、「かかりつけ医」を受診され、接種のスケジュールを立てていただきましょう。ヒブワクチンは任意接種ですので、各医療機関にお問い合わせ下さい。

ヒブワクチンの今後について
 1990年代から、欧米諸国ではヒブワクチンが導入され、2008年には、アジア地域・アフリカを含む120ケ国以上で接種されています。WHOの推奨により、2003年には既に94ケ国で定期接種に組み込まれています。結果、今やほとんどの先進国でヒブによる重症感染症はないといっても良い状態になっています。ようやく「予防接種後進国」日本でも、ヒブワクチンが接種できるようにはなりました。一部の市町村では助成をして保護者の負担を減らすことを実施してはいますが、日本の子どもたちを守るためには、「定期接種」として、日本のどこに住んでいても、無料で誰でも受けることができる環境が必要と考えます。ワクチンが生物製剤という「薬品」である以上、万が一、健康被害が発生したときの適切な救済措置を準備しておかなくてはなりません。そのためにも「定期接種」とする必要性があるのです。

リンク集
1) 細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会
http://zuimakuen.net/
2)VPDを知って、子どもを守ろう
http://www.know-vpd.jp/