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はしか(麻しん)が流行しています

掲載日:2018.04.26

ワクチンの2回接種が感染予防に有効です

麻しんの発生について

平成30年3月20日、沖縄県内で旅行客が麻しんと診断され、この旅行客と接触歴のあった者や、同じ施設を利用した者を中心に、断続的に沖縄県内で麻しんの発生が報告され、4月23日現在で患者数は70人となっております。さらに名古屋市在住で埼玉県の学校に通学している10代の学生が沖縄旅行をした後に埼玉県内で発症し新幹線で名古屋に帰省、名古屋市の医療機関を受診し、受診医療機関から2次感染者が報告されています。また、台湾でもはしかの患者が相次いで確認され、台湾の当局が注意を呼びかけています。

麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強く、一人罹患すると免疫のない集団では20人前後にうつします。

麻しんに有効な薬剤は無く、対症療法になります。そのため、ワクチンによる予防が最も重要です。ワクチン接種後2週間後から麻疹特異的な血中抗体が出現します。ワクチン1回接種による免疫獲得率は93~95%以上、2回接種による免疫獲得率は97~99%以上と報告されています。

症状

麻疹ウイルスに対する免疫を持たない者が麻疹ウイルスに感染した場合には、以下のような経過で臨床症状を呈します。

前駆期(カタル期)

感染後に潜伏期10~12日を経て発症します。38 ℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感があり、小児では不機嫌となり、上気道炎症状(咳嗽、鼻漏、咽頭痛)と結膜炎症状(結膜充血、眼脂、羞明)が現れ、次第に増強します。
乳幼児では8~30%に消化器症状として下痢、腹痛を伴います。発疹出現の1~2 日前頃に頬粘膜の臼歯対面に、やや隆起し紅暈に囲まれた約1mm 径の白色小斑点(コプリック斑)が出現します。コプリック斑発疹出現後2日目の終わりまでに急速に消失します。また、口腔粘膜は発赤し、口蓋部には粘膜疹がみられ、しばしば溢血斑を伴うこともあります。

コプリック斑

発疹期

カタル期での発熱が1℃程度下降した後、半日くらいのうちに再び高熱が出るとともに、特有の発疹が耳後部、頚部、前額部より出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕におよび、2日後には四肢末端にまでおよびます。発疹が全身に広がるまで、発熱(39.5℃以上)が3~4日間続きます。発疹ははじめ鮮紅色扁平であるが、まもなく皮膚面より隆起し、融合して不整形斑状となります。

回復期

発疹出現後3~4日間続いた発熱も回復期に入ると解熱し、全身状態が改善してきます。発疹は退色し、色素沈着がしばらく残ります。

合併症

  1. 肺炎:麻疹の二大死因は肺炎と脳炎であり、注意を要する。肺炎の合併は6%に認められ、乳児では死亡例の60%は肺炎に起因します。
  2. 中枢神経系合併症:1,000例に0.5~1例の割合で脳炎を合併し、思春期以降の麻疹による死因としては肺炎よりも多いです。25%に中枢神経系の後遺症(精神発達遅滞、痙攣、行動異常、神経聾、片麻痺、対麻痺)を残し、致命率は約15%です。
  3. 中耳炎:麻疹患者の約7%にみられる最も多い合併症の一つです。
  4. 心筋炎:心筋炎、心外膜炎をときに合併することがあります。
  5. 亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis :SSPE):麻疹ウイルスの中枢神経への持続感染が原因で、長い潜伏期間の後に進行性の中枢神経症状を発症し、最終的な予後は非常に悪いです。知能障害、運動障害が徐々に進行します。麻疹ワクチン導入前における麻疹患者10万人あたりのSSPE発症は、米国では1人、発展途上国では20~100人とされていました。しかし、最近のドイツ、米国からの報告では、5歳未満の麻疹患者のうち、1,300~3,300人に1人がSSPEを発症したと推計されており、従来考えられていた発症率よりも多い可能性が報告されています。なお、ワクチン株によるSSPEの発症は、疫学的にもウイルス学的にも認められていません。

麻しんの感染を防ぐため

現在、定期予防接種の対象となっている1歳児、小学校入学前の1年間にあるお子さんは早めにワクチン接種を受けるようにしましょう。
成人でもワクチン未接種者や1回のみの接種者が感染を受けると、発症する可能性があるため、予防のためにはワクチン接種を受けましょう。

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